私とカナリアさんが席に座ると、ラキがいつものようにハーブティーをカップに注いでくれた。


「わざわざ来て頂いてすみません。 私が伺えれば良かったんですけど……。」


たぶん私が王子の部屋に入り浸ってるから気になって来たんだよね?それなら私が顔を見せた方が良かった気がする。私の方が暇だし、それにお城の中を少し見てみたい気持ちもある。


「私がルカ様にお会いしたかったのですから、お気になさらないで下さい。」


ラキから「ルカ様。」って呼ばれる事には少し慣れてきたけど、カナリアさんにそう呼ばれると恐縮してしまう。


「不自由はございませんか?」

「いいえ。 申し訳ないくらい、皆さんに良くして頂いてもらってます。」

「そうですか。 お困りの事がございましたら、ラキにお申し付け下さい。 シエル様には言い辛いでしょう?」

「……はい。」


苦笑いを浮かべると、カナリアさんにクスクス笑われてしまった。

笑い方まで優雅……というか上品な人。

お茶やお菓子の準備をし終えたラキはカナリアさんの隣の椅子に座った。


「もしもシエル様との事でお困りの事がございましたら、私で良ければお話を伺いますのでご遠慮なく私の部屋へお越し下さい。」


カナリアさんの口ぶりから、シエルとは親しいのかな?と思った。シエルもカナリアさんの事を凄く信頼している様な感じだった。