人間は老いるのも早い。それを考えると、出来るだけ早く元の世界を見つけてやりたかった。

ローズと同じ顔をしているからか、せめてルカには幸せになってもらいたかった。


「ルカの言っていたネックレスだが、どう思う?」

「別に珍しいデザインのものではないし、見てみない事には何とも言えない。 それに、きっとローズのネックレスはあの地に眠っているよ。」


そう言いながらジョシュは自分の首に付けているネックレスを手に持ち、昔を懐かしむような目で見つめている。

ローズのネックレスはRの文字に薔薇が付いていたが、ジョシュのネックレスは剣にJの文字が付いている。これは二人が18歳の成人の儀式の時にご両親からもらい受けたものだ。

_コンコンコン。

そろそろ来る頃だと思っていた。


「入れ。」

「失礼致します。」


相変わらず凛々しく、隙がない。


「俺は失礼するよ。 何か分かれば直ぐに報告する。」

「あぁ、頼む。」


女官長のカナリアと入れ替わる様にジョシュが部屋から出て行った。


「どうぞ、掛けてくれ。」

「それでは、失礼致します。」