Rose of Blood 【リメイク版】

「シエルもジョシュさんも忙しくて、殆ど一人で過ごしてるんです。　だから話し相手になって下さい。」

「畏まりました。　あの、ルカ様。　私の様な使用人に敬語などお遣いにならないで下さい。」

「分かった。　じゃあラキも敬語は遣わないでくれる？」

「それはなりません！　シエル様や女官長にも怒られてしまいます。」


本当に困った顔をするから、これ以上は言えなくなってしまった。私のせいで本当にラキが怒られてしまったら嫌だから、無理強いはできない。


「そっか、分かった。　ねぇ、ラキはもうご飯食べたの？」

「いいえ、まだです。」

「私まだ食事中なんだけど、一緒に食べよう？」


また困った顔をされてしまった。ここに来るまでメイドさんと会った事もないし、メイドさんにお願いしていい事とダメな事が分からない。


「お願い。　一人で食べても美味しくないの。」


半ば無理矢理ラキを椅子に座らせて、私は途中になっていた食事を再開した。椅子の上でそわそわしているラキは食べ物に手を付けようとしない。


「ラキもヴァンパイアなんだよね？」

「はい、そうです。」


見た所金色の部分がないからラキも混血だよね。


「私まだここの事よく分からないから、色々と教えてもらえたら嬉しい。」

「勿論です！！」


ラキの元気のいい声が部屋に響いた。ハッとしたラキは顔を真っ赤にして申し訳なさそうな表情を浮かべていた。けど明るい笑顔でそう答えてくれて、ホッとすると同時に嬉しかった。