朝食を食べ終え、ジョシュさんは部屋を出て行ってしまった。

メイドさんたちがテーブルの上を片付けてくれている中、私はどうしていいのか分からず立ち尽くしていた。

純血と混血の見分け方を聞いたから、メイドさんたちを必要以上に見てしまう。メイドさんはたくさんいるけど、金色の部分がある人は一人もいなかった。


「ルカ、こっちに来い。」


シエルに呼ばれ付いて行くと、知らないベッドルームに通された。今朝のベッドルームとは雰囲気がガラリと変わり、可愛らしい部屋だった。


「今日からここで寝ろ。」

「え？　私の部屋？」

「あぁ、そうだ。　お前が自由に動き回っていいのは、この部屋とさっきのダイニング、それからトイレ、バスルームだけだ。　俺の許可のないところに行く事は許さない。　いいな？」


顔が綺麗だからか、凄くきつい言い方をされている気がする。


「分かった。　シエル、ここに置いてくれてありがとう。」

「礼は要らない。　その代わり俺が質問した時には嘘をつくことなく、真実を語れ。」

「うん。」


優しい人なのか怖い人なのかはっきりしないけど、悪い人ではないんだろうなと思った。まだ不安は全然拭えないけど、手を差し伸べてくれる人がいてくれて良かった。目を覚まして一人きりだったら、今もまだ泣いていたかもしれない。訳も分からないまま殺されていたかもしれない。