ヴァンパイアって凄い。今度からは下手にタメ口きくのはやめよう。


「今度からはちゃんと敬語を遣うようにす……しますね。」

「今更敬語を遣われても気持ちが悪いだけだ。 そのままでいい。」


そのままでいいって言ってくれてる割には顔が怖い気がする……。

ジョシュさんは私たちを見ながら何故が笑っている。


「そうそう、一応純血と混血の見分け方を教えておくよ。」

「見分け方ですか?」

「純血と混血は力の差が歴然だけど、見た目でも分かる様になっているんだ。 純血のヴァンパイアは髪の毛もしくは瞳のどこかしらに金色が現れる。 金色の割合が多いほど生まれ持った力が強いとされている。」


ジョシュさんは髪の毛は真っ黒だけど、両目は綺麗な金色をしている。シエルは髪の毛も瞳も見事な金色。


「シエルは凄く強いヴァンパイアなんだね。」

「シエルはこの世界で一番強い力を持った純血のヴァンパイアと言われている。 今この国が平和でいられるのは勿論国王陛下のお力のお蔭だが、シエルの存在も大きい。」

「有難い事にこの国の民は皆強く協力的だ。 我々は恵まれている。」


シエルの謙遜する様な姿勢はちょっとだけ意外だった。

偉そうな感じだから独裁政治?みたいな感じなのかと思ってた。


「気持ちと環境が落ち着けば分からない事がたくさん出てくるだろう。 その時は遠慮せずに俺がシエルに聞いてくれればいい。」

「分かりました。 ありがとうございます。」