血の気が引いていくのが自分でもよく分かる。貧血を起こす時の感覚と今の感覚は凄く似ていた。


「この世界のヴァンパイアは大半が混血で、シエルや俺の様に純血のヴァンパイアは極僅かだ。」

「えっと、その……純血のヴァンパイアに噛まれたら、ヴァンパイアにはならないんですか?」

「それはその純血によるかな。 純血は自分の意思で相手をヴァンパイアにするか否かを決められるんだ。」


これが本当に現実なの?

ジョシュさんはゆっくり丁寧に説明してくれている。それは分かっているのに上手く頭が付いていかない。

混血? 純血?

どちらも私からしてみれば化け物だと思った。


「そんなに怯えなくても、この城の中に居る限り問題ないよ。」


ん? 城?


「あの……お城って何ですか?」

「あぁ、まだ言ってなかったね。 この国を統一しているのはエメラルディア家で、いま俺たちが居るこの城はエメラルディア家の城だよ。」


って事は、この国で一番偉い人のお家に居るって事!?


「私なんかがそんな凄いところにお邪魔しちゃって大丈夫なんですか!?」

「第一王子が許可してるんだから遠慮することはないよ。」