「よく眠れた?」

「あ……はい。」

「それは良かった。」


変わらないジョシュさんの優しさにホッとした。

それにしても凄い数のメイドさん。部屋も広くて見るからに高そうな家具。凄いお金持ちのお家なんだろうな。

シエルが手を上に払うと、メイドさんたちは静かに部屋を出て行った。


「ルカ、怖い思いをさせてすまなかった。」

「え?」


突然シエルに謝られ、面食らった。


「何だその顔は。」

「いや、だって……そんな事言う様な人には見えないからビックリした。」

「俺だって悪いと思えば謝罪する。 それが礼儀だろう。」


偉そうでやたら威圧的で怖い人だと思っていたけど、実はそんな事ないのかもしれない。


「私の方こそごめんなさい。」

「何故お前が謝るんだ。」

「だって、助けてくれたんでしょう? それなのにあんなに騒いじゃって……興奮しててあまり覚えてないけど、きっと酷い言葉も言っちゃったと思う。 だからごめんなさい。」

「気にする事はない。 それに、結果助ける事になっただけだ。」

「さぁ話はそこまでにして、そろそろ食事にしようか。」