「ルカ様、お茶の準備が整いましたよ」

「はぁい!」



白いアンティークのテーブルによく似合うティーカップと綺麗に並べられたクッキー。こんなおしゃれな場所でゆっくりとお茶を楽しめるなんて、本当に贅沢なひと時だと思う。



「本日はレモンミントのハーブティーに致しました」

「凄く癒される香りだね。 それにとっても美味しい!」

「お口に合って良かったです。 私は少し一息つきたい時などに飲んでます」

「わかる気がする。 なんか落ち着く」



ハーブティーをまた一口飲んで、椅子の背もたれに寄っかかった。


シエルの口から婚約者の話が出ることはない。私も聞かない。


違う……聞かないんじゃなくて、聞けない。


シエルの婚約者のアマンダさん。一体どんな人なんだろう。知りたいけど知りたくない。矛盾だらけだ。


遠くから見ただけだけど、アマンダさんは綺麗な人だと思った。私とは全然違う。それに純血のヴァンパイアだ。私なんかよりもシエルとお似合い……そう思いながらも納得は出来なかった。