初めて訪れた温室。想像していたよりも凄くて一瞬言葉を失った。


圧倒される。



「凄い__っ綺麗」

「ルカ様、お茶の準備が整いましたらお呼び致しますね」

「うん、ありがとう」



ラキが準備してくれてる間、温室の中を歩いて回った。


色とりどりで瑞々しい薔薇たち。温室だから雨が降っている日も関係なく来ることができる。


美しい薔薇に囲まれて、いい香りに包まれているのに心は綺麗には晴れてくれなかった。どうしても先日の事を思い出してしまう。


シエルとキスをしていた女のひと……その人はシエルの婚約者だとセリアルが教えてくれた。


あの日は何事もなくシエルの顔を見る勇気がなくて、セリアルのお部屋に泊めてもらった。セリアルが上手く説明してくれたから、シエルはきっと疑ってない。