幸せ行きのチケット

足は勝手に3組へと向かっていた。

別に友利にばれても、悪いことをしてるわけではないからいい。

ただ……どこかしら罪悪感を感じていた。

そんな気持ちで教室を覗き、祐輔を探した。

祐輔は友達と話している様子だった。

なんとなく話しづらい感じがするが、これを渡すぐらいなら周りは変に思わないだろう。

「祐輔〜。お前の彼女の友達が呼んでるぞ〜!」

急に祐輔の友達が叫んだので、びっくりした。

「え、あ……。祐輔〜。落とし物さ、見つけたから。」

「お、亜由美か。俺落とし物なんてしたっけ〜?」

祐輔が返答してくれるだけで嬉しい。

だだそれだけでもよかった。

祐輔と話せるだけでよかった。

よかったのに…。

この想いは許してくれない。