幸せ行きのチケット

半分諦めていた。

もう無理だと思った。

中島との距離がだんだん遠くなっていく気がした。

みんな、マジごめん。

亜由美、せっかく頑張ってくれたのにごめんね。

本当に、ごめん。

完全に諦めそうになった。

でも、

「友利〜〜〜〜!諦めんじゃねぇぞぉ〜!最後まで全力で走れ〜〜!」

祐輔の声がはっきりと聞こえたんだ。

声からして叫んでいたその姿は見られなくても、その声ははっきりと私に届いていた。

バカ。

敵だっていうのに。

「あぁあぁぁあ!」

バカみたいな声だして、アホみたいに走った。

今までよりも速いと思うぐらい。

最高に辛くて、最高に幸せだった。

そしてやっと、辛くて幸せな道を、ゴールした。