幸せ行きのチケット

「あと一つ言っておくが、お前の仲間の大体は見たからな。ここらの学生だろ?調べりゃすぐ分かる。」

……俺がバイクを乗らなければ、仲間は無事ですむってことか。

「もちろん、仲間も走りを止めてもらうぞ。」

くそ。なんでだよ!

「…………分かった。」

俺は悔しい思いでそう告げた。

「悪いな……。これが俺の仕事なんだ。」

「有竹さんのせいじゃないっすよ。」

悔しい。

俺には走れねぇ生活なんてありえねぇのに。

「なら、お前の仲間にもちゃんと言っておけよ。んじゃ、今日は帰っていいぞ。俺がバイクのとこまで送ってやるから。今日だけバイクで帰るのを許す。」

「…ありがとうございます。」

それだけ言うと、俺は黙り込んで歩きだした。