幸せ行きのチケット

「祐輔、何処にバイクあるん?」

「ちょっと遠いけど、さっきのミニストップじゃないミニストップ。」

「…ん?」

「とにかく走って逃げるぞ!」

「う、うん!」

友利の手を引っ張る手に力を出来るだけ強くしないように、でも緩くて離してしまわないように気をつけて走った。

友利の手は小さくて、白い指はとても綺麗。

友利の息が荒くなってきたことを悟ると、速度を落として歩きに変えた。

「友利。俺は絶対お前を守るからな。」

「…。なんか急に真面目なこと言わんといてよ。びっくりするやんか。」

「悪ぃ悪ぃ。ただ、なんか言いたくなってさ。」

「祐輔。うちはそれを知ってるからヤンキーなったんよ。」

「信じることに、迷いはないの?」

「何そのアニメキャラみたいなこと言って。祐輔今日変だよ〜。」

「本当の崖っぷちに立ったらこんなもんじゃないんだろうな。」

「ま、祐輔が崖っぷち立った時、私も一緒にそこにいてあげる。うちらずっと一緒やかんね。」

「おぅ!」

約束だからな、友利。