幸せ行きのチケット

…ん。

聞いたことのある音がする。

よくテレビのサスペンスドラマとかで聞く。

ただ、夢なのか現実なのかはまだ分からない。

だんだんこの音が大きくなってくることに気がついた。

少しずつこの音の正体が何か気付き初めた時、これは夢の中ではない、現実だと慌てはじめた。

「祐輔!警察!マジでやばいて!」

「え…?な〜に?」

「アホ!早く逃げるの!」

祐輔もこの音を聞いて目を丸くした。

やっと気がついたらしい。

お互いの携帯が鳴った。

私には亜由美からで、祐輔には後輩からだ。

「もしもし友利?今、察来てかなりやばいからうちら逃げてて、やっとまいたみたい。そっち察行ってない?」

「きてる!こっち来てるよ〜。どうしよぉ〜。」

「うちら助けに行きたいけど、今行ったらみんな捕まっちゃうよ。」

「うん。…こっちは、なんとか頑張る!例え見つかっても絶対みんな裏切らない!無事に家着いたら連絡するね。」

「うん。待ってる。二人共無事でいてね。」