「桜の蕾もふくらみ始め、また、温かい季節になりました。その良き日に、私達は、卒業します。」

私達の卒業式は始まった。

これで終わる高校生活。

祐輔と亜由美たちと過ごした高校生活。

それが今日終わる。

あっという間の3年間。

みんな次の進路が決まり、私は大学に進む。

亜由美は就職することになった。

「ここで過ごした3年間は、一生の宝物です。」

そう、一生の宝物。

絶対忘れないよ。

『僕たち、私たちは、卒業します!』

卒業生全員の声は、体育館に響き渡った。