幸せ行きのチケット

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「お母さん。」

私は久々に親の名を呼んだ。

ずっと呼ぶことを避け続け、何年か経った今、やっと大切な人を呼べた。

お母さんは、びっくりしたものと感動とが入り交じった表情になっている。

「亜由…美…。」

「今日で高校卒業します。……今まで、お母さんには迷惑………かけたね。本当、ごめん」

「亜由美。母さんこそ、今まで何もしてやれなくてごめんね」

お母さんは泣きながら私を抱きしめる。

その手は震え、でも強く抱きしめてくれた。

久しぶりに感じる、温かさだった。