幸せ行きのチケット

大きなアルバムをめくる。

そこには、私の小さい頃の写真が写っていた。

一人っ子の私には、遊び相手はおもちゃか両親だけだった。

父親は仕事で忙しく、お母さんと二人で遊んだ思い出しか頭にない。

アルバムには、三人が楽しく写っている写真なんて見当たらなかった。

どれも私一人が写っている写真。

日に日に成長していく私は、小学生の終わりまでしか写っていなかった。

中学時代の写真は、入学式での新しい制服を着て写っている写真だけだった。

それからの写真はない。

………そう。

離婚したあの日から。

もう一枚も写真はなかった。

父親が写っている写真もなかった。

家族みんなが写っている写真を、私は一度も見たことがない。