幸せ行きのチケット

「遅いなぁ〜。」

待ち合わせの時間は過ぎていた。

まだ来る様子はなく、周りに人がいる気配もない。

夕方だし、今は真冬。

寒くて体が震える。

手袋をしていても手は冷たい。

私を追い詰めるかのように、雪が降り始めた。

白い綺麗な雪は、私の頬に落ち、顔を冷たくしていく。

早く暖かい場所に行きたい。

祐輔に抱きしめてもらいたい。

ねぇ、今どこにいるの?

バイクの音がした。

私は反射的に後ろを向く。

その音は私を置いて消えていった。

さすがに遅いので、祐輔に電話した。

‐‐‐‐プー、プー。

「なんで電源消してんのよ…。」

祐輔が心配でならない。

私の手はもう、携帯のボタンを押すことさえ難しいぐらい冷えていた。