幸せ行きのチケット

「なあ、急にどうした?……もう連絡するなって言っ…」

「あのさ、もうそのことは忘れて。なしってこと。」

にこやかに笑い返し、私は祐輔の手をそっと握る。

祐輔も優しく握り返してくれた。

お互いが何も言わず、ただ手を握って見つめ合う。

今までの時間を取り戻すかのように、二人はずっと傍にいた。

時が止まったような感覚。

周りの温度が温かく、もう冬になるという感じがしなかった。

祐輔が生きていて、こうやって話すこともでき、私の顔を見てくれること。

そして、手を握り返してくれることに感謝しようと思う。

私はこの時ほど命の大切さを感じたことはないだろう。

祐輔のまっすぐな瞳に、癖がある髪の毛、綺麗な肌。

何もかもが大切で、私にとっては全部が愛おしいものだった。

「祐輔。……今までごめんね。」

「俺も…本当にごめんな。」

二人の想いはやっと重なる。

もう絶対離れない。

そう私は心に誓った。