「友利…。どうしてここに?」

祐輔は私を見て驚いている様子だ。

私はそんな祐輔の元に歩みより、祐輔を強く、そして優しく抱きしめた。

涙は祐輔の肩を濡らし、私自信の心の不安も流してくれた。

祐輔の温もりを感じると、今まで以上に安心してしまう。

私は祐輔の体から離れ、祐輔の後ろに周り、車椅子を押した。

ベットの近くに行くと、祐輔は自らの意思で立ち上がろうとした。

「ちょ、祐輔…。」

祐輔はゆっくりとベットに入り、仰向けの体制になる。

そしてじっと私だけを見ていた。

「骨折?」

「あ、うん。右足と左腕。…でもなんともねぇから。」

「何強がってんのよ。まだ痛いくせに。……顔ひきつってるし。」

私は、こんな可愛くない言葉しかかけてやれない自分がバカだと思った。

もっと優しい言葉を。

優しい笑顔を。

聞かせたり、見せなきゃいけないのに。

それでも祐輔は笑っていた。

満面の笑顔をしてくれた。

私はとても幸せだと思えた。