幸せ行きのチケット

何秒か見つめ合ってた。

二人の周りだけ時間が止まったように。

「あ、帰らなくちゃ。」

「え、もう帰るの?ちょ待って。君の名前は?」

「私は、工藤友利。」

「友利だね。覚えた。俺は真鍋祐輔。」

祐輔…か…。

「私も覚えた。」

………。

「あの!」「あの!」

「あ、先どうぞ。」

「いいよ君が…じゃなくて友利が。先に言って。」

「……連絡先とかって教えれ…ます?やっぱ、これも奇跡かなぁって。」

「奇跡?」

「だって、こんな時間にこんな場所で会えたなんて、奇跡としか思えないでしょ。てか、運命?」

私何言ってんだ〜。

相手だって彼女とかいるかも知れないじゃん。

あ〜、一瞬で終わった。

「なら、この運命無駄にはできないね。俺は、奇跡とか運命とか信じるよ。」

「私も…。信じる。」

なぜだろう、今までにこんなに温かくて、笑顔になれた日は、ない。