幸せ行きのチケット

「ありがとね。祐輔と過ごした日々は、すごく楽しかった。……それじゃ。」

「ちょ…亜由美。」

祐輔に名前を呼ばれても振り返らなかった。

振り返ったらおしまいだから。

また傷つきたくなかったから。

急ぎ足で階段を下りた。

途中転びそうになり、速度を落とした。

涙は、何回拭いても止まらなくて、もう前が見えなかった。

外では、子供達が自転車に乗って走りまわっている。

喫茶店でも行こうかと思ったが、同じ制服を着ている女子がいたため家に帰ることにした。

ハァァァ……。

大きなため息をつき、家のドアを開けた。