幸せ行きのチケット

並木君の優しい心に負けて、私は今あったことを話した。

祐輔のこと。

亜由美のこと。

祐輔と亜由美が仲良く話しをしてて、亜由美が祐輔を好きでいるような気がしたこと。

亜由美が祐輔を抱きしめていたこと……。



話し終えた時、私は泣いていた。

やっと出た涙はなかなか止まらなくて、年下の子の前だからすごく恥ずかしかった。

やっと落ち着くことができ、一呼吸おいた。

「俺、どうすることもできないからすげぇ悔しいんですけど。…こんな俺でもよかったら、これからも嫌なことあったら話し聞きますよ。」

並木君の気持ちが、今私にとってすごく大きな存在。

こんな優しい気持ちで接してくれる後輩がいてよかった。

今はたった一人の親友にも相談できない状態。

ましてや、亜由美が祐輔のことを本当に好きだとしたら尚更。

だからこそ、並木君がいてくれてよかったと思えた。