幸せ行きのチケット

「あの〜〜。先輩はなんて言うんですか?名前。」

「私?私は、工藤友利。」

「俺は、洞戸並木です。よろしくね、先輩。」

並木君は、1学年下みたいで2年生の子らしい。

「ねね、敬語じゃなくていいからね。うちは気軽に話すのが好きだから。」

「やっぱそうっすよね?俺もその方が話やすいんで。先輩は、何でサボりたかったんです?」

「ん〜〜、なんか悲しいことあってさ〜。」

「………彼氏…とか?」

そうだよ。

祐輔のこと。

彼氏と親友のこと。

並木君なら分かってくれるかな。

同情とかはなんとなく嫌なんだけど、ただ話を聞いてくれるだけでいいような気がする。

「先輩。嫌なら話さなくていいです。でも……、誰かに聞いてほしいと思ってるなら、俺にすぐ言ってください。相談とかも聞くし、話聞いてやるくらいならできるから。」