柚子side
「柚子!!」
秋の始まりを告げる心地よい風が私を撫でる。起き上がれば、目の前にいるのは
「愛希ちゃん」
親友の愛希ちゃんだ
「ごめんね、先生の話なかなか終わんなくて」
「いいよ、大丈夫」
今日は、駅前のケーキ屋さんに寄り道する約束をしていた
「ケーキ楽しみ」
「久しぶりだね、こうやって寄り道」
学校からそれほど遠い場所でもなくほんの数分で着いた
シャランっ…
扉を開けば聞こえる女性の歓声
" 可愛い〜 "
" 遙斗くん、こっちは? "
甘い匂いと甘い歓声に思わず
「帰る」
「うわっ、待った」
どうしようもなく逃げたい
