ドロップアウト




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一限、二限、三限と過ぎて行き、現在Fクラスは四限の魔法実技の授業の真っ最中だ。


魔法実技の授業はその名の通り、実践室にて魔法を使う授業だ。




だが現在ソフィアがいるのは実践室ではなくレノワール高等魔法学校内にある図書室。
周囲には誰の姿も見えず、そこにいるのはソフィアただ一人だ。


魔法実技の授業の時はソフィアはいつもここにいる。




だからと言って授業を怠っているわけではない。
教科担任から魔法実技の授業時にはここで自習をしているようにと言い渡されたからだ。



魔法学校で一番大事な魔法実技の授業なのにこの様な措置を受けたことには理由がある。


それは単純にソフィアが魔法を使うことが出来ないからだ。



この世界では魔法は火.水.風.地の四元素に宿る四精霊によって生み出されたと言われている。
その魔法は人が生まれつき体内に宿している魔力により使うことが出来る。



ならばソフィアの体内には魔力が無いのかと問われるとそれは違うと断言できる。


何故ならこの国では赤子が生まれるとまず魔力検査が行われ、その時にその赤子が持つ魔力が測定される。


ソフィアはその検査で今までに見たことのないほどの高い数値を叩き出している。

クリステア王国中どころが世界中を探してもこれほど魔力の高い人間は見つからないだろう。