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そうこうしている間に見えてきたのは在学期間2ヶ月となるレノワール高等魔法学校の王宮にも負けないほど巨大な校舎。
ソフィア達は週に5日間ここに通っている。
クラスはA~Fまでありソフィア、セロン、レヴィの三人は同じFクラス。
ルルアだけはAクラスで三人とクラスが離れている。
クラス発表の時、一人だけクラスが違うこと…と言うよりソフィアとクラスが違った事に納得がいっていなかったルルア。
しかもAクラスとFクラスという一番教室が遠いクラスときたものだ。
友人的な意味でソフィアのことが大好きなルルアにとって死刑宣告と言っても過言ではない。
そのため、それから二ヶ月が経過した今でもセロンやレヴィに不満ばかりぶつけている。
Fクラスの前まで来るとレヴィがルルアに向かって意地悪な笑みを浮かべて言う。
「ほら、お前はさっさとAクラス行けよ。ここから遠~~~~~く離れたAクラスによー。なあ、ソフィコン君」
遠くを強調して言うレヴィに若干の殺意すら芽生え始めるルルアであったが、あくまで冷静に対応する。
「あんたに言われなくても行くけど。あたしを煽ってるつもりだった?残念でした。……てかあれだよね。煽るのに失敗するとか恥ずかしいやつだよね。うわー、可哀想。同情するわ。無理にでも怒った方がよかった?ごめーん」
いや、冷静と言うよりレヴィの嫌悪感を煽る事が楽しくて仕方がないように見える。
この二人の嫌悪感の煽り合いはもはや日常。
これがあることで、それを傍観しているソフィアとセロンが一日が始まったと感じるほどに。


