【同性愛】それでも好き


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「あ、ラッキーセットで!」


「はい、お飲み物は何になさいますか?」



夕方のエムバーガーは混んでいた。ファッションショーのようにいろんな学校の制服を来た人と出会う。
みんな、カップルとか…友達同士で来ていてなんか楽しそうに笑ってる。俺も、ケンジと来てるんだけどな…あんな顔になれないや…



「奥空いてる」

ケンジの後ろをついて空いていた奥の席に座った。
お腹が減っているわけでもないのに、何故かセットを頼んでしまったとテーブルにトレーを置いて気がついた。玩具もいつの間に頼んだんだろう…


「もっと静かな場所がよかった?つっても…そんな場所喫茶店くらいだけど」

買ったナゲットをマスタードソースにブチュブチュと突っ込んで、俺の顔を伺いながらニヤっと笑ってケンジが言う。


「何処でもいいよ…誘ったのはそっちだろ?」

「…そうだったな。」



まるで忘れていたような言いよう。俺はストローの包装を破るとドリンクの穴に差込勢い良く吸い込んだ。


「行きたい店ってここかよ?」