「いつだって傷つくのは向日葵なんだろ?」
ピクリと背筋を伸ばし驚いた顔をしている。那智の言っていたことは、やっぱり過去になにかあったんだ…
「…そ、それは…、龍は違うよ…今までは龍みたいじゃなかったもん!」
「あの先輩と…なんか関係持ってた?」
ブルブルと首を振り目をキョロキョロと動かしている。それは、何かあったってことなんだろう…
「こないだも言ったけど、俺はただの男子生徒だよ…。何処にでもいる、普通の男子生徒…。特別かっこいいわけでもないし…良く言うとしたら、気が弱いから誰にでも優しいことくらい。」
鍵をテーブルの上にポンと置くと、俺は部屋を出ようと扉に手をかけた。
「だったら、助けてくれなくてよかった…放っておけばよかった…。先輩とエッチすればよかった!」
涙の混じる向日葵の声を背中に浴びた。それでも俺は必死に振り返らないように笑顔を作った。
「那智のそばを離れるなよ」

