【同性愛】それでも好き


ばつの悪そうな先輩達は先生にそういうと俺らを睨んで去って行った。


「おい、お前ら何かされたのか?」


「いえ、何も…」


俺は先生を吹っ切るように向日葵の腕を引いて食堂を出た。そのまま誰も居ない場所を求めて、向日葵のペースを考えずに廊下を歩き続けた。


少し歩いて図書室を入っていった。この高校には図書室に個室が何個かある。俺はそこなら誰にも邪魔されないだろうと思い急いで受付へと進んだ。


「部屋、空いてますか?」


焦っている俺を見て図書委員は少し驚いた顔をしていたがすぐに確認をとってくれた。

「クラスと名前は?」

空いていたらしく、俺は名前とクラスを答えると部屋の鍵を受け取りすぐに向日葵を連れて個室へ入った。



「っ、はぁ…龍…足はやい…」


「なんで食堂一人で行くんだよ…。那智は?一人で行かないんだろ?」

向日葵には背を向けたままそう言うと、向日葵は俺の横に立ち顔を覗かせた。





「龍と、会いたかったからだよ?」