〜 カーラ 視点 〜
俺はコランが淹れた紅茶から、さっきまで一緒にいた人間の男の映像を映して見ていた
『何故、あの人間の男に肩入れしたのですか?
今まで色んな人間がこの店にやって来ましたが、あなたは黙って僕と人間の取引を見ているだけでした
それが何故、あの人間の男に肩入れしたのですか?』
コランは、俺に近づいてくると隣に座り
紅茶を飲みながら聞いてきた
『………俺が天使だった頃…
ある女と出会った…
その女を見守るのが俺の仕事だった
まあ、その女だけじゃなく他の人間もいたがな…
でも俺は、他の人間より、その女に興味をもち…
他の人間をほっといて、その女を見ていた』
『……………ストーカーですか…?』
コランは、俺の話に顔を引きつらせると
俺と少し距離をとった
『馬鹿野郎!!
別に恋愛感情はねぇよ!!
恋愛感情があって、ストーカーっていうものになるんだろ!?
俺が人間の女に恋すると思ってんのか!?』
『…………そうですね…
あなたは、そんなことしませんね』
『だろ?』
人間の女を俺が好きになるわけねぇだろ
人間を嫌っている俺が…!
『あなたは、ストーカーするくらいなら
相手に、恋の矢を撃ちますものね?』
『なんで、そうなるんだよ…っ!!
俺は、恋のキューピットじゃねぇんだよ!!
恋の矢なんて持ってるはずねぇだろ!!』
恋のキューピットなんて人間が創り出した迷信だ!
俺があんなキモい弓矢を持ってるはずねぇだろ!!
『じゃあ、何故……
その人間の女に興味を持ったのですか?』
『………………他の人間たちより…
運命が最悪だったからだ…』
その女は、俺たち天使ですら助けられない呪いを生まれたときから背負って生きていた
だから、興味があった
天使ですら助けられない呪い……人生をどうやって生きて行くのか…

