「……った……んた…っ!
お願いだから……っ…目を開けてよ…っ!」
誰かの声が聞こえてきた
僕は、何故かその声を聞いて早く目を開けないとダメだと思い、ゆっくりと目を開けた
「……心太…っ!」
目を開けると、若い姿の藍が涙を流しながら僕を覗き込むように見ていた
「……えっ…あ、藍…!?
な、なんで…」
ど、どうして藍がいるんだ…!?
ぼ、僕……死んだはずじゃ…
「バカ…っ!!心配したんだから…っ!
心太、車に轢かれて…
意識失っていたんだよ!?
先生が……あと少し遅れたら、危ないとこだったって…!
心配させないでよ、バカ…っ!!」
「え………」
ちょっ、ちょっと待って…
ぼ、僕……死んだんじゃなかったの…!?
な、なにが…どうなっているんだ…!?
さっきまでの、カーラさんとかとの出会いは夢だったってこと…!?
「……心太…?」
「…………」
僕は自分の身体を確かめるように、服を捲り身体を見た
確かに事故にあったっぽい…
手術のあとや、身体中が痛い…
だけど、なんだろ……
あれが夢には思えない
僕は不思議そうな顔で見つめてくる藍を抱きしめた
「ちょっ、ちょっと……どうしたの…?」
「藍…藍……藍…っ!」
藍は、僕の傍にいる…
それを身体で確かめたかった
僕は強く藍を抱きしめていたら……
藍から少し後ろに佇んでいる人と目が合った
その人………いや、その方は…
さっきまで、カーラさんたちと話していた死神の女だった
僕は驚いて、死神を見つめていると
死神はクスッと笑って…
『カーラちゃんに感謝しなさいよ〜』
と言って、手を振り姿を消した
「……?どうしたの、心太」
藍には、死神の声が聞こえていないらしく驚いている僕の顔を不安気に見ていた
や、やっぱり……
あれは夢じゃなかったんだ…っ!
で、でも死神が言っていた…
カーラさんに感謝しなさいって…
「心太?
少し休んだら…?
事故にあったんだから、身体を休めないと……」
そうか……
死神の言っていたことの意味が分かった…
カーラさん……
本当に…本当に……ありがとうございます…
「藍……あのときは、ごめん…
僕、今回のことで気づかされた
僕にとって藍は……かけがえのない人だって…
別れたくない…
藍……愛してる…」
「………ふふっ…
私も心太と離れるのは辛い…
別れるわけないよ
心太……私も心太を愛してる…」
僕はもう二度と……
藍の傍から離れない
藍を悲しめさせない
藍と共に生きていく……

