「あ、あの…ぼ、僕…
契約はしません…」


僕の言葉に二人は、驚いた顔をして僕を見つめてきた


『なんでですか?
藍さんは、あなたのせいで苦しんでいるのですよ?

自分が助かりたいために
藍さんを苦しませるのですか?』

「………確かに、僕のせいで藍は苦しんでいるのだと思います…

だけど契約をして藍が本当に喜んでくれるのか…?となると…
どうしても契約出来ないんです…

藍は、僕が藍のために契約したと思い込んでしまったら…
藍は絶対に自分を責め続ける


それなら、僕は…
天国で藍を待っていればいいんじゃないかって思うんです

藍の今の旦那さんが天国にいても
藍とまた普通に話せるなら、僕は藍とその旦那さんの邪魔はしません」


天国が本当にあるのなら……
もう一度、藍と話したい

今度は、気軽に…
友達のような感じでもいいから…

ただ、普通に話せればそれで…


『本当にいいんですか…?

今、あなたの目の前には…
藍さんと一緒に時を過ごせる幸せがあるのに…

手放しても、よろしいのですか…?』

「……はい!
藍を待つことにします!」


僕の幸せだけで考えてはダメだ…
藍と一緒に幸せにならないとダメなんだ…!


「カーラさん

僕、今……藍はいないけど…
僕は強いって思ってくれますかね…?」


力じゃない…
心の強さのことだ

藍には、見せれなかったけど…
僕、悪魔の誘いに乗らなかったよ…


『ああ……お前は、強ぇよ…
スゲェ、カッコイイぜ…』

「えへへ…////」


カーラさんは、僕の言葉に
本当に天使みたいな微笑みを僕に向けてくれた

僕は、その言葉に恥ずかしくなり頭を掻いた


こんな、カッコイイ人…
しかも天使に、カッコイイって言われたんだ…

僕、ちょっとは男らしい強さが出てきたってことかな…?


藍……

僕、少しは成長したよ


天国でそれを見せられればいいな…