『あっ…お帰りなさい』


無事、元の時代に戻ったのか
コランさんがニコッと笑って迎えてくれた


『どうでした?
きちんと想いを伝えられました?』

「ええ…」


カーラさんは、近くに置いてあるイスに座り、僕もコランさんに案内され
ソファに座った


想いを伝えられた…


「カーラさん……
本当にありがとうございました…っ!」


僕はもう一度、カーラさんに向かって頭を下げると
カーラさんは、コランさんが用意した紅茶を飲んで、僕に手を振るだけだった


カーラさんは、不良みたいな見た目や言葉遣いだけど…
本当は不器用なだけで、優しい人なんだと思った

今の手を振る行為も、照れているのだと感じた


もし、この店に僕の魂が入らなかったら
僕は藍に何も伝えられずにいた

偶然で入れて…
カーラさんたちと出会えて本当に良かった…


『心太さん
僕と契約しませんか…?』

「えっ…!?」


コランさんは、僕に紅茶を出すと
ギラついた瞳で僕を見て言った


な、なんで…!?
契約しないって言ったのに…!?


『本当に満足したのですか…?
言葉だけ伝えて、満足したのですか…?

本当は、一緒に過ごしたいと思ったのではありませんか?
藍さんと結婚して、子どもが出来て
一緒に年をとっていく…

そう思ってますよね…?


僕があなたの願いを叶えてあげます

あなたを生き返らせて、藍さんと共に生きていけるようにしますよ


今の時代で生き返れば…
同じ時を、一緒に過ごせます

藍さんは、あなたの死んだ姿や
違う男と結婚しなくてすむ


20年後の藍さんは、あなたが死んだ恋人だと知って泣いていますよ?

藍さんを何年も苦しませていいのですか…?』

「あ、藍が……」


藍が僕のことで苦しむ……
藍の幸せを邪魔した…?