「わ、私……彼の遺体を見るまで信じられなくて…っ…
信じたくなくて…

毎日泣いたわ…
涙が枯れるほどにね…」


藍は、僕が渡そうと思っていたテイッシュを自分でとると、それで涙を拭いていた


「私、毎日のように願ったわ…

彼を生き返らせて…
あのときに戻ってと…

だけど、神様は…
私のそんな願いを聞いてはくださらなかった…


私は…もう二度と…
彼の傍で笑うことも泣くことも怒ることもなかった…出来なかった…」


藍……


「私は周りの人たちから支えられて
今は幸せに生きているわ…

彼と同じくらい素敵な人に出逢って
結婚して、子どもが出来て…


本当に幸せよ…
もう、いつ死んでもいいくらい…」


藍……
藍……っ!


「……っ……うぅ…」


僕は泣いてしまった
泣かずにはいられなかった…

カーラさんがどうして僕を
20年後につれてきたのか分かった


僕は…
今の時代で…死んでしまっていたからだ…


僕は藍に謝れず…
藍と喧嘩したまま…

僕は死んでしまったんだ…っ!


「私の心残りは一つだけ……

彼に謝りたかったこと…

ツマラナイことで喧嘩して…
それを謝りたかった…」

「……っ…グス……っ…」


僕もだよ…
僕も…っ…

謝りたかった…っ!
藍に謝りたかった…っ!


「新一さんは、後悔しないで生きてください……
私のように失ってからじゃ遅いから…」


藍……っ!