「僕、運びますよ
家はここら辺ですか?」

「大丈夫よぉ…
家はこの近くだから、本当にありが…
……!!」


おばあさんは、僕に頭を下げて僕と顔を合わせた瞬間…
おばあさんは、驚いたように僕を見ていた


ん?
どうしたんだろ…?


「………っ…し、心太…?」

「えっ…?」


会ったことのない、おばあさんが僕の名前を知っていて驚いた

おばあさんは、驚いた顔から
悲しげな表情で僕に笑った


「……そんなはずないわよね…
ごめんなさい、私の知り合いと勘違いしてしまったわ…

ありがとね、若いお兄さん」


おばあさんは、また僕に頭を下げお礼を言うと、そのまま住宅地が広がるところに行ってしまった


な、なんであの人…
僕の名前を知っていたんだ…?