カーラさんは、魔法を使うのではなく
普通に歩きながら移動していた
「……なんで魔法使わないんですか…?」
「極力、力は使いたくねぇんだよ
ヤツにつけ込まれるかもしれねぇからな」
ヤツとは、たぶん…
コランさんだろうか…?
僕はカーラさんに聞くことはせず
ただ黙ってカーラさんについて行った
「ここら辺だな…」
「えっ…!?
ここに藍がいるんですか!?」
住宅地がある道の真ん中でカーラさんは
辺りを見渡しながら、住宅地を見ていた
「近いな…」
「あ、藍がってことですか!?」
何が近いのかよく分からなかったが…
カーラさんは、目を閉じ静かになった
「カーラさ…「ああ…っ」…えっ!?」
僕たちの後ろから、声が聞こえ振り向くと、だいたい五十代くらいの女の人が買い物帰りだろうか…荷物を落としてしまっていた
僕はすぐにその老人に駆け寄り、落としていた荷物を拾ってあげた
「大丈夫ですか…?」
「すまないねぇ…
少し買いすぎたみたいだわ…」
おばあさんの荷物は結構入っていて
そこから入れすぎたのか、そこから中身が落ちたようだった