四時間目の終わりを告げるチャイムが鳴る。

「ごめん、先食べてて!」

そう友達に言い残すと
なっちゃんの教室へ向かう。

すると前から
─安藤瑛星

なっちゃんがいるか聞くと
「あいつなら、一時間目からずっと保健室だけど?」
明らかにバツが悪そうに目を逸らす。

─こいつ...!!

だいたい察しが付いた。

二人を取り持つつもりはさらさらない。
だが、こんな奴のために涙を流すなっちゃんなんか見たくない。
それに、どんな理由であれ、なっちゃんの心にコイツがいるなんてまっぴらごめんだ。

「僕、そろそろ本気出しちゃうよ?」

苛立ちを殺して、宣戦布告。

はやく仲直りしてもらわないと、なっちゃんは僕のほうを向いてくれないからね。

そんな後付けを心の中でして、なっちゃんの元へと向かった。