雨も好き。

「安藤くん?だっけ。なっちゃ...夏海知らない?」
─古賀翔馬。
「あいつなら、一時間目からずっと保健室だけど?」

「うーん、そっかぁ。朝は元気だったんだけどな。なんかあったのかな?ありがとう。」
愛想の良い笑顔でこちらを見る。

「...さぁ?じゃ。」

通り過ぎようとすると、俺の右肩を、古賀翔馬の右手が受け止める。
そのまま顔も見ずに
「あーあ、今日もきっとなっちゃんは僕の部屋に来るんだろうなぁ、他の男に泣かされて。僕、そろそろ本気出しちゃうよ?」
優しい口調なのに鋭い、さっきよりワントーン低い声。

「じゃ、保健室行ってくるよ〜」

わざとらしく行き先まで伝えた古賀翔馬は、可愛いドットの保冷バッグを持って、去っていった。

今日“も”?
古賀翔馬の“部屋”に?

そして、持っているのは夏海に渡す予定であろうお弁当箱。

「どうなってんだ.....」

どんな理由を考えても、悪い方向にしか考えは巡らなかった。