「僕はやっぱりなっちゃんが好きだ。」

目で見ることは出来なくても感じる、翔馬の真っ直ぐな声。

きっと、夏海を真っ直ぐに見つめているだろう。


どくん。


その言葉に、また大きく心臓がはねた。

「日曜日の17:30に、家で待ってる。」

その日は俺との約束がある。

夏海のことを信じているのに、なんだろうこの胸のざわつきは。

すると、

「そろそろ潮時じゃない?」

そう言って肩に手が乗った。
春花に言わるまでもない。きっと、ずっと前からこの時が来るのは分かっていた。

「春花、ちょっといいか。」