栗生くんは、意外と小悪魔



いや……、虚しいというよりか、悔しいと言った方がいいのかな。


なんだろ、本当。


今、胸の中がものすごい黒い感情で満たされてる気がする。


「はあ…」

「梨勢?大丈夫…?」


そんな私を見た心菜が、心配そうに私の顔を覗き込む。


心菜は、こんな時でも、ものすごくかわいいし、優しい。


だからなおさら、悔しいし、
……痛い。


「え?あぁ、まあね。」


私は、そんな心菜にあやふやな言葉を返すと、また視線を前に移した。


隣で、まだ心菜の視線は感じていたけど、私はワザと気づいていないフリをした。