「あ、おい!相田!!!」


私は、これ以上ここにいられなくて、思いっきり、栗生とは別の方向に走り出した。


後ろで栗生が、叫んでいるけど、今は、その声に振り返る事ができるほどの余裕はない。



ちがうの、こんな形で告白するつもりなんかじゃなかった。


そんなつもりじゃなかった。


栗生を、困らせるつもりなんて、サラサラなかった。


……栗生。


私は、栗生が好きだよ……。


私は、そう涙を流しながら、一人でつぶやいた。