栗生くんは、意外と小悪魔



でも、私がこんな風に、ドキドキしてても、栗生はきっと、私の事なんてナントモ思ってない。


栗生は、誰にでも優しいから。
栗生は、人当たりがいいから。


だから、私にもきっと優しくしてくれてるんだよ……。


そうだよ、私なんかが、心菜の代わりになんかなれるわけないじゃん……。


あぁ、なんだろ。


すんごく……、泣きたい。



「ん、ホラ。連れてってやるよ。」

「……」

「どうし……」

「やめてよ!!!」

「あい、だ?」


私は、顔に近づいてきた栗生の手を、力いっぱい払った。


その事にとても驚いたのか、栗生が私の名前を戸惑いながら呼ぶ。


ちがう、ちがうちがうちがう!!


私だって、そんな事をしたかったんじゃない!!


ちがう、ちがうの……っ。