ザクっ……ザクっ……
雪道を歩く音って好きだな
ってか、寒いっ。
『堤川さんは会社へ向かって歩いてください、私は駅に向かいます。一本道なので、必ず出会えます』
雪は止んでいるから
明日には電車は動くだろう
「笹森さん!ごめんね。変なお願いしちゃって……本当にごめん」
『いや、困った時はお互い様ですから』
『っていうか、その格好寒くないですか?そんな薄いコートで』
東京なら大丈夫だろう
けど、こんな田舎だと無理だ
「うん、失敗したわ……っクシュン」
『ほらーっ。だから暖かい格好してくださいって言ったじゃないですか』
しかも、肩が濡れていた
電車が動く動かないで
外に居たんだと思う
『家についたら、お風呂に入ってくださいね。温まらないとダメですよ』
「いや、大丈夫。さすがにそこまで世話になれないよ」
けど、堤川さんのクシャミは止まることがなく、咳まで出てきた

