「とってもおいしかったです。ありがとうございました」


暫くして、紅茶と茶菓子を運んできてくれた間島さん。

彼が淹れてくれたお茶を飲み干すと、私はにこりと笑ってそう言った。



「お口に合ったようで、よかったです。夕方になれば、要様が帰って来られますので」


ワゴンの上にあるティーポットを拭きながら、間島さんはそう言った。


「日曜なのに、学校に?」


「ええ。生徒会長をされてまして、土日もよく学校へ行かれております」

「そうですか」



...生徒会長、なんてやってるんだ。



そんな事も知らない程、私は彼についてほとんど何も聞かされてない。



「伽耶様も、明日からは要様と同じ学校に通うことになっております。制服やかばんなど、必要な物は全てお部屋に用意してますので見に行かれますか?」


手元の懐中時計を見ながら話す間島さん。

帰ってくるまで時間があるみたいだしと思って、私は隣に置いてあったハンドバッグを手に取った。



「じゃあ、要さんが帰ってくるまで部屋で待ってます」


「かしこまりました。では、ご案内します」



お願いします、と言って立ち上がると、私は手に取ったバッグをギュッと持ち直した。