なぜか今山本の家のリビングにいて二人で酒盛りとなっている。当初は家に帰る予定だったが奴に「せっかく会えたから上がっていって。積もる話もあるし」と言われ気弱な私は断る事も出来ず「じゃあ、お邪魔します」薄ら笑いを浮かべながらリビングすぐに配置された二人掛け用のモスグリーンの革製のソファーに座ってしまったのだった。
「たいした物ないけど飲み物出すから待ってて」木製の対面キッチンの奥にある黒の大容量の冷蔵庫から500ミリリットルのビールを二本と冷凍庫に入っていた枝豆を取りだしソファー前の木製のローチェストに置いた。
「ビール飲める?」お酒はあまり強くないので遠慮したい所だが言えず
「ありがとう。大丈夫」またも薄ら笑いを浮かべビールを受け取ってしまったのだった。
「じゃあ、とりあえず乾杯するか」私の顔を見ながら満面の笑みを浮かべた。
その笑顔に一瞬クラッとしてしまった。クーいい男になったな。山本じゃなければ惚れてただろうな。危ない危ない。奴は恐らく中身は多分ゲス…
「うん。乾杯」平然を装いながらも内心はかなり、びくついている。今後何かの折に笑いのネタにされる事への恐れと当時の関係が思い出されて怖くてたまらない。ヤバイ冷や汗が出てきた「暑い?9月に入ったとは言えまだ25度あるもんな。この部屋蒸すんだよな。クーラー入れる?」
「いや、いい大丈夫」慌てて手を振る。今のところ奴にビビっているのはバレていない様子だ。良かった