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音楽が美しい音色を奏でる。
そしてそれには、時おり歌が混じっていた。歌は古い言葉で、わからない者もいようが、染み込むように広がる。内容は様々だが、多くは古い神々の話だ。
参列者が集まる中、とある女性と男性が参列者の視線を集めていた。
男性は装飾のされた儀式用の剣を腰からさげる。複雑な釦や刺繍がある衣装は真っ白だった。
女性の頭にはやや変わったヘッドドレスの宝石が輝き、華やかな化粧がされていた。
一番目を惹くのは、花嫁である。
花嫁の衣装は、鮮やかな赤色だった。
「汝、かの女を妻とすることを誓うか」
「誓います」
男はもちろん、といった様子でそう返した。
「汝、かの男を夫とすることを誓うか」
「誓います」
男と同じように、その隣にいる女が答える。そうして誓いの口づけを交わすと、開場にいる人々から拍手が響いた。
一般的に、花嫁のドレスといったら白であるが、ここでは鮮やかな赤色である。
何故花嫁の衣装が赤色なのか。
それは世界を救ったという半神の女神エウリュが再び地上に戻って来たさい、身に纏う婚礼衣装が赤く染まっていたからだという。
エウリュは地上に戻ってきてからも多くの人々を救った。その間、彼女に求婚した者も多くいたそうだが、彼女は首をふることはなかった。そして人々を救い続けたのちにその命を散らせた。
現在、女神エウリュがいたという地方で多くの彼女の像が残っており、優しげな笑みを浮かべてそこにある。
了
2015/9/4


