「芦谷も満足した? 好きなんだろ、この映画の監督。」 「っ、はい、大満足です。」 一瞬だけ、言葉に詰まる。 先輩は知らない、おれの本音。 確かにこの監督は好きだ。 この監督の映画は、今まで何本も見てる。 だけどそんなもの、おれにとっては二の次で 今回の、本当の目的は……。 「せんぱ……。」 「わっ、雨!」 え? 先輩が叫んだと同時に、大粒の雨が空から降って来た。