「オレ達、もう一度やり直せないか?」
3時を過ぎたのか、もうすっかり人気はなくなっていた。
映画特有の薄暗さの中、康介の言葉が響く。
「言い訳するつもりじゃないけど、あの時のオレは口だけだった。」
「すみには気にするなとか、オレが守るとか言ったけど。すみがいないところで男子だけの会話が始まると……正直言って、ハブられるのが怖くて何も言えなかった。」
知っていた。
康介が”私“を守ってくれていたこと。
そのせいでいつも周りの男子から、キツイ言葉を浴びさせられていたこと。
俺は知っていた……。
「凛にそれを聞かれたとき、もうおしまいだと思った。凛は真面目だから、例えそのことを話しても、オレのことは許さないだろうし。それに」
康介が誰よりも、優しい人間だってこと。
「オレが、許せなかった。」
「そんな状態のまま、すみと付き合い続けるなんてこと。」
きっと俺はそれを全部知ってて、だけど認めたくないから、ずっと知らないふりをしていた。
そうやって4年間の間、康介だけに苦しい想いをさせていた。


