自分で言うのも何だが、女の子大好きだから。
ほっとくなんてことはできない。
そんな風して、人混みを掻き分ける。
すると…………
――ドンッ...
「っ!!」
芦谷並の身長の男に突き飛ばされ、俺の体が傾く。
人が多いから、バランスを立て直すこともできず……。
…………倒れる!!
そう思ったとき、後ろからガッと腕を掴まれた。
「大丈夫?」
一瞬芦谷かと思ったけど、まだ結構トイレから離れてるし、何よりこの人混みだ。
芦谷なわけなくて、たまたま後ろにいたらしい男の人が助けてくれたらしい。
「今日、なんか近くで歌手のサイン会があるみたいだから、人多いし気を付けた方がいいよ。」
「あ、ありがとうございます……。」
そういえば例のサイン会、3時からだっけ。
「すみません、本当助かりました。ありがとうございます。」
もう一度御礼を言い、人の波が小さくなった時を狙って歩む。


